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XYNと挑むクリエイティブの未来
~ソニー・ピクチャーズ アニメーションの現場から~

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ソニー・ピクチャーズ アニメーション

XYN は、どのようにクリエイティブの世界を変革するのでしょうか。ソニー・ピクチャーズ アニメーションのテクノロジーバイスプレジデント、イオティス・カツァンバスが、アニメーション制作の現場から見た XYN への期待を語ります。

イオティス・カツァンバス
Yiotis Katsambas
Sony Pictures Animation

XRや3DCGの技術で
実在しない世界をリアルに描く

ー XRや3DCGの制作プロセスは、どのようなところで役立っていますか?

イオティス:私たちソニーピクチャーズアニメーションは、XRの技術が制作にどのように役立つかを研究し始めたばかりです。XRの技術が制作現場で役立つ場面の 1 つは、3D環境を探索したり、制作を開始する前のプリビジュアライゼーションのための3D空間でのデザインの微調整です。

ー XRや3DCG制作がアニメーション制作の現場でどのように活用されることを期待していますか。

イオティス:アニメーションの制作では、現実には実在しないような広大な環境をデザインすることがあります。ヘッドマウントディスプレイを使用することで、私たちのアーティストは3D環境に没入し、実際のその場所にいるようにリアルタイムで探索することができます。

スパイダーマン™: アクロス・ザ・スパイダーバースの技術デモ用画像

アニメーション制作の
ワークフローにおける技術進化の課題

ー イオティスさんが感じる、昨今のアニメーション制作における3Dアセットの問題点はなんでしょうか?

イオティス:CGアニメーション映画の制作における最大の挑戦は、魅力的で視覚的に美しいストーリーを作り上げることです。 私たちは映画ごとに膨大な数のアセットをデザインし、構築する必要があります。そのために、アーティストができるだけ技術的な労力をかけずに、これらの環境や3DCGアセットを探索し、微調整できるツールを常に探しています。

環境を構築する場合、たいていは2Dのドローイングとペインティングから始め、3D空間に構築していきます。この移行には非常に時間がかかります。 アーティストは3Dの環境を見ながら調整と改良を加えて、素晴らしいクオリティから本当に感動的なクオリティに押し上げようとします。カメラを動かすと構図が変わり、家具を移動させたり、窓を追加して光を取り入れたり、空間を大きくしたり小さくしたりするかもしれません。制作が始まるとこのような変更を加えるのにコストと時間がかかります。

ー  現在のアニメーション制作において、XRや3DCGを取り入れる技術的な問題はありますか?

イオティス:我々のゴールは、魅力的で、説得力のあるストーリーを伝えるビジュアルデザインを作ることです。クリエイターのリソースを最適化し、より多くの時間とエネルギーをクリエイティビティに費やせるようなテクノロジーを期待しています。

mocopiを使用した制作現場
mocopiを使用した制作現場

新次元のテクノロジーが
クリエイターの創造性を解放させる

ー XYNの空間コンテンツ制作支援のソリューションについてどう思いましたか?

オティス:XYNによって、ソニーは創造性の新たな次元に突入します。XYNは、私たちのようなスタジオが、これまで不可能だった方法で世界を探求する手助けをします。 XYNの製品に何らかの形で携われることを本当に嬉しく思っています。私たちのアーティストや、この製品が生み出す新しいワークフローの機会すべてに、より大きな期待を寄せています

ー XYNのヘッドマウントディスプレイをどのように活用していますか?

オティス:私たちは社内で「Flixiverse」というアプリを作りました。 「Flixiverse」のゴールは、アーティストが3Dアプリケーションを使ったことがなくても、3D環境で簡単に動けるようにすることでした。 「Flixiverse」の仕組みは、コントローラーを使って、まるでゲームをしているかのように3D環境の中を動き回るというものです。クリエイターは、見ているものから静止画をキャプチャすることができ、その静止画は映画制作に携わっている他のメンバーと自動的に共有されます。これは、私たちのクリエイターにとって、非常にダイナミックなショットを即座に開発するための非常に強力な方法となりました

「Flixiverse」をソニーのヘッドマウントディスプレイのプロトタイプに接続したところ、より没入感のある体験が生まれました。環境内を動き回り、実際の場所だと感じられるのは素晴らしく、さらに画質も素晴らしいです。全体的に非常に反応が良く、直感的な操作ができます。環境を見て、膝をついてアップショットを撮ると、まるで実写映画のように撮影していて、非常に非現実的でした

ー mocopiについてはいかがでしょうか?

イオティス:ソニーのmocopiは、比較的低価格で使いやすいモーションキャプチャシステムなので、多くのアーティストがデスクで使えるようになっています。簡単に装着でき、数分でアクションをキャプチャして、プリビズや参考用に使用しています。早い段階でアイデアを検討するのにとても役立っています。アニメーション制作において、プロセスの早い段階で、制作が始まる前にイメージを作れることが重要です。 アニメーションのテストを作るのに1週間かかるとしたら、多くのテストに取り組むことはできませんが、1時間で数本のアニメーションのテストを行うことができれば、アイデアの検討に多くの時間を費やすことができ、最終的な結果にも大きなプラスになるはずです

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ー 今後のXYNに期待することは?

イオティス:XYNは、ソニーがクリエイティビティの新次元を切り開く鍵となるでしょう。このテクノロジーが我々の仕事を向上させる可能性があることに、心から興奮しています。