1. トップ
  2. 活用事例
  3. XR・3DCG技術の活用で変わる映画制作のワークフロー ~ソニー・ピクチャーズ エンタテインメントの現場から~

XR・3DCG技術の活用で変わる映画制作のワークフロー
~ソニー・ピクチャーズ エンタテインメントの現場から~

SonyPictures_MadisonGate
ソニー・ピクチャーズ エンタテインメント

XYNのソリューションは、映像制作のワークフローにどのような変化をもたらすのでしょうか。ソニー・ピクチャーズ エンタテインメントのテクノロジーデベロップメントにてポストプロダクション技術を担当するバイスプレジデント、ダニエル・デ・ラ・ローザが XYN への期待を語ります。

Daniel De La Rosa
Daniel De La Rosa
ソニーピクチャーズエンターテインメント

こんにちは、私はダニエル・デ・ラ・ローザです。ソニー・ピクチャーズ エンタテインメントのテクノロジーデベロップメントにてポストプロダクション技術のバイスプレジデントを務めています。

 

XR・3DCG活用で企画や撮影準備の精度を高める

ー XRや3DCGの制作プロセスは、どのようなところで役立っていますか?

XRや3D技術は、プリプロダクションや企画段階で特に役立っています。特に、プリビジュアライゼーションや美術部門は、実際の撮影が始まる前に制作の計画を立てる重要な役割を担っています。XR技術を活用することで、これらのチームはセットや環境を空間的に視覚化できるため、より正確な情報をもとに準備を進め、スムーズに本番の撮影に移行できるようになります。

ー XRや3DCG制作がアニメーション制作の現場でどのように活用されることを期待していますか。

XR技術は、ロケーションハンティングのような制作計画の分野でも活用できます。例えば、アクセスが難しい場所には少人数のチームを派遣し、環境をスキャンすることで、監督や撮影監督、他のスタッフがその空間にバーチャルで入り込み、撮影プランを立てることが可能になります。これにより、実際のロケ地に大人数で向かう手間を省きつつ、より綿密な撮影計画を立てられるようになります。また、スタジオセットの事前可視化にも役立ち、小道具の配置やライティングの計画をより正確に行うことができます。

Previz_VP_Studio Review-1
*画像はイメージです。

直感的に使い始められるツールで効率的な制作プロセスを構築したい

ー ダニエルさんが感じる、昨今の映画制作における3Dアセットの課題はなんでしょうか?

現在の課題は、コストや場所といった「参入障壁」です。多くの技術は非常に高価であったり、モーションキャプチャーステージのような特定の場所にあり、スケジュール調整が難しいことがあります。突然インスピレーションが湧いたとしても、クリエイターがモーションキャプチャーステージをすぐに利用できなければ、そのアイデアを形にする前に消えてしまう可能性があります。ソニーが提供しているいくつかの技術は、クリエイターが思いついた瞬間に、すぐにそのアイデアを直感的に探求する機会を提供してくれます。 


ー  現在の映画制作において、XRや3DCGを取り入れる技術的な課題はありますか?

XRや3DCGを制作に取り入れる際の技術的な課題の一つは、実際に技術を展開するのにかかる時間です。もっと効率的なプロセスが必要だと感じています。そのためには、それらの技術を一つの枠組みの中に統合し、パイプライン全体で資産をスムーズにやり取りできるエコシステムを構築することが重要です。

 我々は、主に探索的な観点からこれらの新技術をテストし、クリエイティブな環境でどのように活用できるかを検討してきました。実際に映画製作者にも見せてフィードバックをもらっています。XR技術、そして実際のところどんな技術でも重要なのは、信頼性が高く、直感的で、使いやすいことです。映画製作者は、ラグやセットアップに悩まされることなく、スムーズに活用できるツールを必要としています。 

Group 664

 

コンテンツ活用の新時代を切り拓く

ー XYNの空間コンテンツ制作支援のソリューションについてどう思いましたか?

XYNの気に入っている点は、XRと3DCG技術の両方の側面を包含していることです。私たちは、映画やテレビ制作で実際に使用されたアセットを、別の形にして体験を届けることにも取り組んでいます。そうした取り組みは特に映画やテレビ番組のプロモーションにおいて、マーケティングの観点からも活用できる時代に入りつつあると感じています。実際の制作で使用されたアセットを活用しインタラクティブな体験を作り出すことができます。我々の持っているアセットを再利用できることは、それらを楽しみたい視聴者によりリアルな没入体験を提供でき、作品の魅力を寄り深く伝えることが出来ると感じています。

image 457

ー 今後、XYNのヘッドマウントディスプレイをどのように活用されると思いますか?

最初は、プリビジュアライゼーションに活用されることを期待しています。これにより、監督は撮影前に作られた空間に入り込んでシーンを確認することができ、構図やカメラワークを事前に計画できるようになります。さらに、撮影監督や美術部門など他のクルーメンバーと同じ空間を共有しながら作業できるため、チーム全体でビジョンを共有し、一緒に具現化していくことが可能になります。

ー mocopiについてはいかがでしょうか?

mocopi プロフェッショナルモードは、特に迅速でよりリアルなアニメーションを取得するのに役立つと感じています。現在のプリビジュアライゼーションでは、静止したキャラクターが使われることが多く、動きがないために監督がシーンを具体的にイメージしにくいという課題があります。
一方で、本格的な
モーションキャプチャーステージに行く以外では、必要なアニメーションを手に入れるのは非常に難しく、手作業でアニメーション化しても同じです。mocopi プロフェッショナルモードは、クリエイターが必要な動きをすばやくキャプチャーでき、監督や制作チームがより良い判断を下せるようになります。これは、制作の精度を高める大きなメリットになるでしょう。

ー XYN 空間キャプチャーソリューションについてはどのような印象を持っていますか?

現在の撮影現場では、3Dキャプチャーを行うのが難しいのが現状です。その主な理由は、3Dキャプチャープロセスに時間がかかりすぎることにあります。しかし、XYNはそのプロセスを大幅にスピードアップしてくれると期待しています。まるでゲームのように直感的にキャプチャーできるため、撮影現場で素早くデータを取得し、必要なショットが揃っているかをすぐに確認できるのが大きな利点です。特に、撮影の合間の限られた時間内で高品質な3Dキャプチャを実現できるのは大きなメリットであり、制作の効率化につながると感じています。

photogrammetry_concept 2
*画像はイメージです。

ー 今後のXYNに期待することは?

クリエイターたちがXYNをどのように受け入れるか楽しみにしています。XYNは3DCGアセットのキャプチャーと生成を可能にするだけでなく、ヘッドマウントディスプレイや空間再現ディスプレイを使用してXR空間でオブジェクトを操作することも可能にするからです。これはクリエイターが空間コンテンツの観点から自分のビジョンをより良く実現し、より良い意思決定を行うために役立つと感じています。また、3DCG化したアセットを他の体験でも使用できるため、ゲームやXR体験などのコンテンツのプロモーション過程で新たにアセットを作り直す必要がなくなるかもしれません。